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「WordPressからEmDashへ」を自分で試す。初日の記録――ドメイン取得から管理画面が開くまでの70分

EmDashで運営する実験ブログmarcelolab.comを立ち上げた初日の記録。ドメインを分けた理由、無料プランでの公開、データベース更新の詰まりと解決、提案に使える4つの気づき。

LAB NOTE #001 WordPressからEmDashへ ドメイン取得から管理画面が開くまでの70分

はじめに

先日、noteに「WordPressから「EmDash」へ。AIでウェブサイトを作る時代において、CMSはかつての価値が負の遺産に」という記事を書きました。

2019年、前職でグローバルサイトを立ち上げたとき、私はWordPressを選びました。決め手は「自社スタッフで記事を更新できること」。ところがバイブコーディングが浸透した今、人が管理画面から更新できるという強みは、AIで手を入れにくいという弱みに逆転しつつある。そう書きました。

書いた以上、自分で試さないと説得力がありません。クライアントに提案するにしても、触ったことのないものは勧められない。そこで、EmDashで運営する実験ブログを立ち上げることにしました。それがこのサイト、marcelolab.comです。

このブログでは、サイトを作って育てる過程そのものを、つまずきも含めて記録していきます。

EmDashとは

EmDash(エムダッシュ)は、Cloudflareが開発したオープンソースのCMSです。2026年4月に構想が発表され、9月28日に正式版(1.0)が公開されました。

ネタリエさんの記事の整理が分かりやすいので、それを借りて要点をまとめます。

  • Webフレームワーク「Astro」をベースにしており、Cloudflareのネットワーク上で高速に動く
  • 人が使う管理画面に加えて、AIツールがCMSのデータを直接読み書きできる仕組み(MCPサーバー)を備えている
  • Claude Codeのようなツールに指示すれば、記事の追加、固定ページの編集、メニューの更新などをAIが直接行える

あわせて、WordPressとの大きな違いとして、プラグインがそれぞれ隔離された環境で動く設計になっている点も挙げられます。

一方でネタリエさんは、小さな商売にとっては「いますぐ導入」より「様子見」が妥当だと結論づけています。初期設定にはまだ技術的な知識が要ること、AIの読み違いで意図しない内容が公開されるリスクがあること、そもそも複雑なサイトが要らない事業者も多いこと、が理由です。

この見立てに、私も半分は賛成です。だからこそ「どこまでが簡単で、どこからが難しいのか」を、実際にやって確かめたいと思いました。

初日にやったこと

1. ドメインを分けて取得した

最初は、コーポレートサイトの下に「blog.marcelobusiness.com」として立てる案を考えました。ところが調べてみると、そのためには会社のドメインのDNS(名前の管理)をCloudflareへ移す必要があり、同じDNSに載っている会社のメール設定まで巻き込むことが分かりました。

今回の目的はEmDashを試すことで、集客ではありません。本体に一切触れずに済むよう、新しいドメイン「marcelolab.com」をCloudflareで取得しました。費用は年10.46ドルです。

2. 無料プランのまま公開した

Cloudflareの管理画面から、EmDashのテンプレートを選んで公開しました。手順は次のとおりです。

  • ファイル置き場(R2)を有効化する。無料枠の範囲なら0円だが、カードの登録が要る
  • GitHubと連携する。非公開のリポジトリが自動で作られ、以後は更新するたびに自動で公開される
  • データベース(D1)とファイル置き場の名前を決めて、公開ボタンを押す

有料プラン(月5ドル)が必要になるのは、プラグインを隔離して動かす機能を使う場合です。テンプレートは最初からその設定を外してあり、無料プランのままで公開できました。

公開後、marcelolab.comをサイトにつなぎ、サイトのURLを設定しました。

3. つまずき:データベースの初期化が途中で止まった

公開してmarcelolab.comを開くと、真っ白な画面に一行だけ、こう表示されました。

「Database migrations are required.(データベースの更新が必要です)」

調べると、最初のアクセスでデータベースの更新が自動で始まり、全体のうち50本ほど適用したところで止まっていました。しかも「更新中」の印(ロック)が残ったままで、残りを進められない状態でした。

公式ドキュメントの手順に従い、公開時に実行するコマンドに「ロックを引き継いで、残りを適用する」処理を足して、公開し直しました。これで残りの更新がすべて適用され、ようやく初期設定画面が開きました。

ブラウザの管理画面だけで完結させるつもりでしたが、ここだけは、公開時のコマンドとログを読む作業が必要でした。

4. 管理者アカウントとパスキーを登録した

初期設定画面では、サイト名とキャッチフレーズを入れ、アカウントを作り、ログイン用のパスキーを登録して完了です。ドメインの購入から、ここまで約70分でした。

初日の気づき

ワンクリックではない。 管理画面の操作だけで公開まではできますが、データベースの更新が止まったときは、コマンドとログを読む必要がありました。導入を提案するなら、「詰まったときに誰がログを読むのか」を先に決めておく必要があります。

初期設定は公開直後に済ませる。 初期設定が済むまでは、最初に画面を開いた人が管理者になれてしまいます。公開したら、間を空けずに管理者登録まで終わらせるのが鉄則です。

パスキーはURLを決めてから登録する。 パスキーはサイトのURLに紐づくため、独自ドメインをつなぐ前に登録すると、後で使えなくなります。

初日の費用はドメイン代の10.46ドルだけ。 サーバー、データベース、ファイル置き場は、いずれも無料枠の範囲です。

次回

次回は、このブログのいちばんの検証テーマに進みます。管理画面を開かずに、Claudeへの指示だけで記事を投稿し、デザインを変えられるのか。試した結果を記録します。

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